モデルベースト遠隔操作システム
宇宙での作業を地上から遠隔操作で行うには,
通信時間遅れや作業環境を直接見ることができないという問題がある.
そのため,オペレータは「ムーブアンドウェイト」を強いられ,作業効率が悪くなる.
本研究ではモデルベーストな遠隔操作システムを構築することで,この問題に対処してきた.
コンピュータグラフィックス(CG)を用いた,仮想環境を用いることで操縦者は
時間遅れを気にすることなくロボットを操作可能となる.
図2に仮想環境を示す.ソリッドモデルでロボットの予測表示を行い,
ワイヤーフレームモデルで実環境のロボットの動きを提示する.
図3に複数の視点から表示した例を示す.視点変更機能を備え,
正面と左右からの表示に加えて,カメラヘッドの視点からの映像も表示可能である.

図2 仮想環境

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(a)左から |
(b)正面 |
(c)右から |

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(d)右カメラヘッド |
(e)左カメラヘッド |
図3 別の視点からの仮想環境の表示
トラス構造物組立作業
宇宙ロボットに要求される作業のひとつとして,
軌道上のトラス構造物の組立がある.
本研究室では,これまでにトラス構造部材の組立の際に必要な接続および分離作業実験や,
トラス構造物の組立作業実験を行った[9]-[11].
トラス構造物の組立作業実験は実際の宇宙を想定し,通信時間遅れあり,操縦者の目視なしの環境で行った.
操縦者は実環境を見ることが出来きず,カメラと仮想環境を見ながら操縦を行う.
組立作業のうち,手動による操縦では困難な作業はロボットが自動で行い,
作業の効率化を図っている.図4に実験の様子を示す.以下の手順で作業を行った.
- 長手パイプの把持:スレーブアームを操作し,トラス構造部材を把持可能な位置にアーム手先を移動させ,ハンドを閉じて把持を行う(図4(a)).
- 長手パイプの接続:手先を移動させ,各トラス構造部材の中心軸を自動的に合わせる.その後,軸方向以外の運動を拘束し,遠隔操作により接続を行う(図4(b)).
- 三角フレームの把持:双腕で三角フレームを自動的に把持を行う.(図4(c)).
- 三角フレームの接続:双腕協調制御により三角フレームを把持し,移動させる.トラス同士の軸合わせを自動で行い,軸方向以外の運動を拘束し,遠隔操作により接続する.(図4(d))
図4 トラス構造物組み立て実験
実環境[mpg](9.74MB) 仮想環境[mpg](9.74MB)
実環境[wmv](7.00MB) 仮想環境[wmv](7.10MB)
特異姿勢回避支援システム
冗長マニピュレータを遠隔操作する場合,オペレータが特異姿勢を認識することは難しく,
知らずに近付いてしまう可能性が高い.冗長性を利用して自律的に特異姿勢を回避する方法があるが,
回避時の腕姿勢によっては障害物があった場合,リンクと接触する危険性がある.
そこで特異姿勢近傍でマニピュレータを停止し,特異姿勢回避時の腕姿勢を事前にオペレータに
提示する特異姿勢回避支援システムを構築した[12]-[14].
構築した特異姿勢回避支援システムの評価実験を行った.図5に実験の様子を示す.
このシステムは特異姿勢近傍に入り,スレーブアーム(SM)を停止させる(図5(b)).次にワイヤーフレームモデル(WFM)で特異姿勢回避を行った時の姿勢を提示する(図5(c)).
特異姿勢回避中の姿勢が障害物と接触しないことを確認したらSMをWFMの腕姿勢まで自動的に移動する(図5(d)).

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(a) Move SM |
(b) Around singularity |

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(c) Move WFM |
(d) Move SM to WFM |
図5 特異姿勢回避システム
特異点回避[mpg](7.75MB)